サラリーマン家庭で育った私は「働いてお金を得る。」ことをゴールとするレールに乗せられて、疑いもなく邁進し、職に就いて、20年以上もそれを実行してきた。
しかし、お金を得る手段は「自分で働く(労働の提供)」だけでなく、「お金がお金を産み出す。(資本の提供)」というのもあって、むしろ後者の方が収益性が高いというのが資本主義経済の仕組みなのだそうだ。
それはどういうことなのか、「ほったらかし投資術」の著者である山崎元さんの説明を中心に、関連する情報をまとめてみた。
1 お金を稼ぐ2つの手段と収益性
- お金を得るには、自分が持っている「労働力」か「資本」を提供する必要がある。
- お金を稼ぐ人は、「労働力を提供する=労働者」と「資本を提供する=資本家」の2つに分類される。
- 長期的には、労働力の提供による経済成長よりも、資本の提供による収益の方が大きい。(汗水垂らして働くよりも、お金を働かせる方が多くのお金が得られる。)
* フランスの経済学者トマ・ピケティ著の「21世紀の資本」で唱えられた不等式
「r=資本収益率 5%」>「g=経済成長率 1~2%」
2 「リスクを取らない労働」は経済的に不利な方へ向かう
- 資本は、生産の3要素(労働・土地・資本)のひとつで、事業活動の元手となる資金のことである。
- 資本には、1)資本主からの出資、2)企業が稼いだ利益の2つがあり、企業はこれらの資本と労働者の労働力を使って、生産を行う。
- 労働は、自分の能力と時間を提供することであるが、労働によって産出した価値のすべてが労働者への対価となるのではない。
- 資本主義経済では、リスクを取っている人(経営者・資本家)が、リスクを取りたくない人(労働者)から、利益を吸い上げるようにできている。
- 「リスクを取らずに他人と同じように働く」という希望は、経済的に不利な方へ向かう。
- お金を効率的に得るためには、旧来型の「リスクを取らずに堅実にポイントを積み重ねる」から、「適度にリスクを取って、早く大きなリターンを得ることを目指す」ことに変化した。
3 適度なリスクを取るひとつの方法―お金にも一緒に働いてもらう
- 労働で得たお金をの一部を資本として企業に出資し、お金にも一緒に働いてもらうようにすれば、労働時間を減らしても、収入を補うことができる。
- 「労働力の提供=自分が働く」から「資本の提供=お金が働く」に完全に移行できれば、自分は働かずにお金だけに働いてもらうことも可能になる(いわゆるFIRE)。
- ある程度のお金を得た以降、大きく稼ぐ必要がなければ、好きな時間/場所/仕事をするなどの選択により、生活を楽にすることもできる。
- お金に働いてもらう方法のうち、おすすめできるのは、1)誰でも少額から始めることができ、2)長期的に堅実なリターンが期待でき、3)長期・分散・低コストでリスクを抑えられるのは全世界株式インデックスファンド(オルカン)の長期投資である。
不勉強だったゆえに、何も知らずにサラリーマンとして20年以上も経営者・資本家に搾取され続けていたとは、、、愕然とする。
損失のリスクを伴うので、「お金に働いてもらう」ことは万民向けではないのだが、特に将来がある若い方々には、この資本主義の仕組みを知った上で、どのようにお金を得るのが自分に合っているのか、考えてみて欲しいと思う。(50歳を過ぎてから知ったのではあまりに遅いという自戒を込めて。)
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