私が資産運用を始めたのは、仕事を辞めたことで預けていた社内預金(年利1.56%)が手持ちの現金となり、同じ程度の利息を得たいというのが理由である。
基本的に、物価の上昇により資産が目減りしない程度に、リスクを抑えて安全に運用するという気持ちで、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(通称:オルカン)」をバイアンドホールドしている。
物価上昇によって手持ちの現金の価値が目減りすることは、今10,000円で買える商品が来年に10,000円では買えなくなることと頭では理解できるが、物価上昇が緩やかなため、あまり実感はない。
子供の頃、自動販売機のジュースが60円だったことや、電車の初乗りが50円だったが、50年前との比較であれば確かに3倍程度になっていることに気付くが、テレビ番組で見る「開かずの金庫」は示唆に富んでいるように思う。
金庫に保管するものは基本的に当時の人にとって非常に大切なものであるのは間違いない。だが、何十年後、孫世代以降になって金庫が開けられると、それが変わらずお宝であることは少ない。
当時の大金として保管されていた紙幣は銭(せん)や1円、10円であって今や小銭以下、株券も出資額が無価値である。これが物価上昇、インフレによる貨幣価値の目減りである。
一方で、大判、小判はゴールドの価値として、価値の目減りの影響は少ない。(昔の技術なので金の純度や品質が劣っている可能性はある。)
それが分かっているから、「金庫に何が入っていればいいですか?」の問いに、「大判、小判」と答えるのであろう。
「昔のお宝」が長い歳月が過ぎても「今のお宝」であるためには、どのように資産の保全が必要か、開かずの金庫から学ぶべきことも多々ある。
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