ほとほと呆れる Theo のリバランス手法 — 譲渡益と税負担の皮肉な現実

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はじめに

確定申告の時期を前に、ロボアドバイザー各社における「リバランス手法」の違いと、それによって実際に発生している譲渡益・税金負担を再点検しました。特に Theo(テオ)の“スイッチング”型リバランスには、思わず首を傾げたくなる側面があります。

※ 譲渡益は多い方が良い訳でなく、再投資効率の低下(譲渡益の約20%が所得税・住民税で源泉徴収され、再投資する額が80%に目減りする。)や還付申告した場合に国民健康保険料の増額に寄与することがあり、デメリットも考える必要があります。

1.リバランスの目的と課税リスク

資産運用におけるリバランスとは、「当初設定した資産配分に戻す」操作を指します。しかし、同じ目的でも 手法によって税務上の扱いが大きく異なる ことがあります。本記事では、ロボアドバイザー2社、Theo(テオ)とウェルスナビを例に取り上げ、実践者視点でその差異と影響を掘り下げます。

2.「配分変更」と「スイッチング」の違い

以下に両手法の特徴を整理します:

手法概要課税発生の可能性
配分変更入金時に購入バランスを調整し、自然に配分を戻す通常、売却を伴わないため譲渡益は抑えられやすい
スイッチング保有ETFを売却・買換えして配分を戻す売却が発生する都度、譲渡益(損失)が確定する可能性あり

たとえば、当初設定が 株式40%/債券40%/その他20% であったものが、
時価評価上 株式50%/債券30%/その他20% に偏っていたとします。このときリバランスすべき配分は “株式 → 債券” 方向ですが、

  • 配分変更:新規入金時に株式を抑え気味、債券を多めに買う
  • スイッチング:既存の株式を売って債券を買う

という操作の差が出ます。

3.実データで見る Theo vs ウェルスナビ

以下は、私が保有している 2 社のリバランス履歴および税額現況(2023–2024年)です:

Theo(テオ)

  • リバランス:スイッチング、毎月実施
  • 2024年譲渡損益:+¥1,137,398
  • 2024年源泉徴収額:¥243,073
  • 2023年譲渡損益:+¥382,466-
  • 2023年源泉徴収額:¥77,695-

ウェルスナビ

  • リバランス:配分変更、年2回実施
  • 2024年譲渡損益:+¥89,212
  • 2024年源泉徴収額:¥18,122

これらを比較すると、Theo の方が “譲渡益の過剰発生 → 税負担の増大 → 再投資余力の低下” という構図が明らかです。

4.譲渡益過多の裏にあるリスク

  • 所得税・住民税に加えて、国民健康保険料 が影響を受ける可能性
  • 譲渡益が多すぎると、確定申告で還付を受けるよりも、保険料負担増の影響の方が重くなるケース

5.私の見解と実践上の対策

  • Theo のスイッチング型リバランスには、過度な売買を抑える「頻度設定」や「許容範囲設定」が欲しい
  • 一定の乖離率(たとえば ±5〜10%)を越えたときのみ売買するなどの方策が望ましい
  • 長期投資を前提とするなら、リバランスそのものを頻繁に行わず、許容範囲を広めに持つ

結論

Theo のスイッチング型リバランスは、リバランス目的こそ正当でも、譲渡益の不必要な“膨張”を招き、結果的に税金・保険料面での逆風を呼びやすくなります。ロボアドバイザーを利用する際は、リバランス手法とその税務インパクトを理解したうえで、運用方針を選ぶことが重要です。

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