株価暴落の中でロボアドバイザーの分散効果は発揮されたのか?

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ロボアドバイザー2社と、信託報酬の低いインデックス投信「eMAXIS Slim 全世界株式(通称:オルカン)」を軸に資産運用をしています。

しかし、最近の相場急変、いわゆる “トランプショック” によって、含み益が大きく目減りしました。
ロボアドバイザーは「株式・債券・その他資産に分散投資してリスクを抑える」ことを売りにしていますが、実際のところそうした分散はこの暴落局面で有効に働いたのでしょうか?

本記事では、2025年3月期における THEO(テオ)の資産クラス別収益率をもとに、分散効果の実態を検証します。

資産クラス別収益率のデータ ー THEO の場合

THEO の 2025年3月期における、主な資産クラス別収益率は以下のとおりです:

  • グロース(株式系 ETF):‐1.92%
  • インカム(債券系 ETF):‐0.63%
  • インフレ(不動産・金など資産):+0.86%

これらのデータは、株式・債券・金・不動産など異なる資産に分散しているポートフォリオ内での成績を示しています。

(なお、ドル円相場はこの期間 150 円前後で推移しており、為替ショックの影響は比較的小さいものと考えられます。)

グロースは主に株式に関連するETF収益率です。

インカムは主に債券に関連するETFの収益率です。

インフレは主に金や不動産に関するETFの収益率です。

ロボアドバイザーの分散効果は発揮されたのか?

ところで、ロボアドバイザーは、株式、債券、その他(金、不動産など)のETFに資産クラスを分散投資しており、トータルの損失のリスクを軽減することを売りにしています。

確かに、オルカン(株式100%の資産配分)と比べると、ロボアドバイザーの下落率は抑えられていたと言えます。しかし、期待されていた“分散によるリスク低減の幅”には疑問が残ります。

分散投資は、理論上「異なる資産の相関性が低い」状況でこそ効果を発揮します。
しかし、この暴落局面では、株式の急落が他資産にも波及する可能性が高まり、相関性が高まる傾向があります。

また、金・不動産といった代替資産は、流動性や価格変動の特性が異なるため、下落耐性があるとはいえ、必ずしも株式ほどの防御力を持つ訳ではないようです。

したがって、今回のような激しい下落相場では、分散効果は「完全な防弾装備」にはなり得ず、あくまで「ダメージを和らげるクッション」の役割だったと理解するのが妥当かなと思いました。

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