2024年8月28日にSBIグローバルアセットマネジメントから、「SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」を設定することが発表された。販売開始は10月1日である。詳細は以下のリンクからご覧いただければと思う。
SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)(愛称:スマートベータ・世界高配当株式(分配重視型))
信託報酬率は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(通称:オルカン)」の年0.05775%(税込)に対し、「SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」が年0.0550%(税込)と低くなっている。主な特徴を比較したのが以下である。
1 SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)(アクティブファンド)
- 購入時手数料:0円、売却時手数料:0円、信託報酬率:純資産総額に対して年利0.0550%
- 投資対象:海外株式、国内株式
- ベンチマーク:なし(SBIアセット独自の基準に基づく銘柄を選定、ポートフォリオを構築)
- 決算日:2月20日、5月20日、8月20日、11月20日
- 分配金:年4回の決算時に分配(毎決算時の分配金のお支払いを保証するものではない。)
米国、欧州、日本、新興国の4ヵ国/地域を投資対象とするマザーファンドを通じて、配当利回りに着目し、高水準のインカムゲインと中長期的な値上がり益の獲得によるトータルリターンの追求をめざしますが、各投資対象国/地域において、各種市場指数の構成や時価総額比等を勘案の上、個別銘柄の配当状況、株価のバリュエーション評価・分析など、SBIアセット独自の基準に基づき銘柄の選定およびポートフォリオの構築を行います。
2 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(インデックスファンド)
- 購入時手数料:0円、売却時手数料:0円、信託報酬率:純資産総額に対して年利0.05775%
- 投資対象:海外株式、国内株式
- ベンチマーク:MSCI ACWI
- 決算日:4月25日
- 分配金:なし(分配せずに再投資)
年4回の配当について、インカムゲインが得られるメリットと配当に対する所得税が生じるデメリットをどう考えるかの賛否は分かれるが、「ほったらかし投資術」の三大原則のひとつである「低コスト」はオルカンを上回る商品であり、一定の人気を博するように思われる。
野村アセットが「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」を発売した際には、対抗してオルカンの信託報酬率が年0.11330%→0.05775%に引き下げられ、三菱UFJアセットマネジメントのリリースでは引き下げの理由を以下としている。
eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というコンセプトのもと、それを目指す一環として、公正な比較の対象となる他社類似ファンドに係る信託報酬率が当社ファンドを下回る場合、ファンドの継続性に配慮した範囲で信託報酬率を引き下げることを基本とします。上記ファンドにおいては、そのコンセプトに基づき、引き下げを実施するものとなります。
今回の「SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」はベンチマークや配当が異なるため、「他社類似ファンド」には該当せず、信託報酬率の引き下げはないと思われるが、「ほったらかし投資術」に適したファンドのひとつとして、運用成績や人気ランキングを注目していきたい。
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