資産運用の情報量が増えると「悪魔が囁き」も聞こえてくる。

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私の資産運用は2022年3月末に仕事を辞めたタイミングでスタートした。

それまでは職場の貯金制度(元本保証の年利1.56%の社内預金)を利用していたが、退職で強制的に解約、利息を失っただけでなく、すべての資金が手元に戻ってきた。資金の行き場に困ってしまって、追い込まれた、いわばネガティブなスタートであった。

その時点で資産運用の知識はゼロで、あまり考えずに手近にロボアドバイザー2社の積み立てから始め、翌年2023年2月に偶然に【全面改訂 第3版】ほったらかし投資術(朝日新書)を読み、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(通称:オルカン)の積み立ても開始した。

読書ノートを取りながら「ほったらかし投資術」を読んで、「長期」「分散」「低コスト」の資産運用の心得を身に付け、オルカンの特徴(分散、構成銘柄の自動入れ替え、低コスト)を理解し、今に至っている。

実際に資産を運用してみると、基本は「ほったらかし投資術」とは言え、経済や投資の情報には敏感になり、入ってくる情報量は格段に増えた。その一方で情報を鵜呑みにせず、内容の善悪/真偽を自分で見極める能力も重要になったと感じる。(ネットの情報は、炎上やバズり目的の投稿や、自分に有利になるよう恣意的に選んで話をするポジショントークが非常に多い。)

例えば、オルカンやeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)よりも個別株やFX(外国為替証拠金取引)の方が短期で儲かる、「iFreeNEXT FANG+インデックス」や「楽天レバレッジNASDAQ-100(愛称:レバナス)」、高配当株の投資信託の方が利回りが良い、分配金型の投資信託ならば定期収入を確保できるなどである。

もっと儲かるという情報にはどうしても目に留まるし、運用してみようかと心を動かすものであるが、これは「悪魔の囁き」だと受け止めている。

それぞれ運用コスト(信託報酬や売買手数料)、配当所得課税、ボラティリティ(価額の変動)などでデメリットがあることは触れられていない。

「ほったらかし投資術」の著者である山崎元さんが言う、「相手の平均を持ってじっとしている」のが最適解ならば、そのポジションから投資の立ち位置を動かすのは最適から離れることになり、つまりはリスクを高めることになる。

資産運用の情報量が増える。→情報の善悪/真偽の判断を誤る。→欲をかいて極端な運用に手を出す。→一度当たってそれに味を占める。

これが転がり落ちる典型的な図式であると思う。

多少、運用成績が劣っていたとしても、今のところはオルカンが最適解に近いのは間違いなさそうで、雑音に惑わされずに運用を続けたいと思う。

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