現在、私はロボアドバイザー2社と eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー、通称オルカン) を併用して資産運用を行っています。
このうち、オルカンについては売却もしておらず、分配金も再投資しているため、本件では譲渡所得・配当所得は発生していません。
一方、ロボアド2社ではリバランスのタイミングで売買が行われ、その結果、譲渡所得や配当所得が発生します。本稿では、2024年の運用実績をもとに、各社のリバランス手法の違いと、その税務的影響を確認します。
リバランスの方式:ウェルスナビ vs Theo
リバランス(資産配分の見直し)には手法の違いがあります。
配分変更型(ウェルスナビ)
新たな資金投入や機械的なリバランス指示をもとに、将来的な購入ETFの比率を調整する方式。保有中のETFは売らないことが基本。
スイッチング型(Theo/テオ)
既存のETFを売却・買い替えて、目標配分に戻す方式。リバランスと同時に売買が発生するため、譲渡損益が確定しやすい。
この違いが、所得や税負担に大きな影響を及ぼします。
2024年の各社実績:譲渡所得・配当所得と源泉徴収税額
2025年初に、Theoとウェルスナビから 特定口座年間取引報告書 が交付され、以下のような成績となりました:
| ロボアド会社 | 譲渡損益額 | 源泉徴収額 (譲渡所得分) | 配当等額 | 源泉徴収額 (配当所得分) |
|---|---|---|---|---|
| Theo(テオ) | +¥847,569 | ¥172,170 | +¥869,626 | ¥159,209 |
| ウェルスナビ | –¥110,773 | ¥0 | +¥406,199 | ¥72,323 |
両社の譲渡所得の差は ¥1,030,665(源泉徴収 ¥172,170) にもなりました。
この結果から見えてくることは、Theo(スイッチング型)のリバランス方式は、売買が発生しやすいため譲渡益・税負担が増える傾向がある点です。また、売買を挟む分、再投資効率にも一定の制約がかかっていた可能性があります。
確定申告をどうするか? 4つのケースを比較
税還付・納税方針を立てるにあたって、以下の選択肢を検討する必要があります:
- 確定申告なし(申告不要制度を利用)
- ウェルスナビ分だけ確定申告(還付申告)
- Theo分だけ確定申告(還付申告)
- 両社ともに確定申告(還付申告)
ただし、還付される所得税・住民税と比べて、国民健康保険など社会保険料の増加が負担になる可能性もあります。
そのため、所得税+住民税+健康保険料のトータルコストを試算して、最適な選択肢を見定める必要があります。
感想と今後への示唆
この年次実績を通して、リバランス方式の違いが税務面で無視できない影響を持つことを実感しました。特に、スイッチング型を使う場合は譲渡所得発生の機会が多くなり、税負担が膨らみやすい傾向があるようです。

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