ほったらかし投資術やロボアドバイザーを活用した資産運用・趣味関連の記事を投稿している当ブログでは、本記事で新たに登場する低コスト型ファンド SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)(愛称:スマートベータ・世界高配当株式) に注目します。
1.売り出し開始と背景
先日の記事では、世界株式を対象にした低コストファンド、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(通称:オルカン)よりも信託報酬が低い本ファンドが、2024年10月1日から販売開始されることに触れました。
この「低コストながら年4回配当」という特徴が投資家の関心を集めています。
2.オルカンとの主な違い
オルカンと比べたときの大きな差異は次の2点です。
- 銘柄選定・運用手法:本ファンドでは、SBIアセットマネジメントが独自基準で銘柄を選定し、ポートフォリオを構築(ベンチマークなし)である点。
- 配当頻度:年4回の分配が予定されており、定期的な収入を重視する投資家にも魅力的です。
3.“スマートベータ”とは?
「スマートベータ」とは、通常の時価総額加重型インデックス運用とは異なり、財務指標や株価変動率などを基に銘柄/比率を決定する運用手法です。
一般的なインデックスは大型株がポートフォリオに大きく組み込まれますが、スマートベータでは中小型株・バリュー株も加えることで、中長期的に市場平均を上回る成果を目指す構造となっています。
4.なぜ信託報酬を抑えられるのか?
本ファンドの信託報酬が業界最低水準となり得る理由の一つは、ベンチマーク・インデックスの使用料が発生しない点にあります。
例えばオルカンの場合、ベンチマークとしている MSCI ACWI の使用料が運用経費に含まれており、現行の信託報酬率0.05775%はその限界に近いと考えられています。
一方、スマートベータ運用であればインデックス使用料が不要なため、運用コストをさらに引き下げる余地があります。
5.投資戦略においての位置づけ
従来、著書(例:山崎元氏の「平均投資有利の原則」)では、「アクティブ運用よりもインデックス運用を長期で保持する方が平均的に有利」という考え方が支持されてきました。
しかし、今回のような低コスト・スマートベータ型ファンドの登場により、「インデックス一本」という選択肢に加えて、“低コスト×スマートベータ”という新たな選択肢も検討に値すると私は考えています。
投資家としては、時代の変化を踏まえて、運用コスト・配当機会・銘柄構成の違いを理解し、「ほったらかし投資術」の枠組みに無理なく取り入れていくことが肝要です。
6.注意点・補足
なお、私は現在 SMBC日興証券 のダイレクトコースのみ口座を保有しており、本ファンドが販売されるのが現時点では SBI証券 のみであるため、購入できていない状況です。苦笑
今後、販売チャネルが拡大する可能性もあるため、自身の証券口座とリンクしているかどうかを確認することをおすすめします。
まとめ
- 「低コスト」「年4回配当」「スマートベータ」という三つのキーワードが本ファンドの魅力です。
- 従来の「インデックス一本」という戦略に加えて、「低コストスマートベータ」という選択肢も視野に入れる価値があります。
- ただし、販売チャネルや自身の運用口座状況を事前に確認するようにしましょう。

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