「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」を購入するとき、基準価額や為替レートがどのように影響するかを理解していますか?
この記事では、私が実際に運用している中で学んだ
- 購入の流れ
- 基準価額の目安のつけ方
- 為替(ドル円)の影響の見積もり方法
を紹介します。
オルカンを買う「タイミング」や「下げた時の判断」に迷う方に役立つ実践的な内容です。
1.eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の購入の流れ
オルカンを購入する際の一般的な手順は以下の通りです。
- 証券会社のMRF(マネー・リザーブ・ファンド、銀行でいう普通預金のようなもの)に資金を入金
- 午後3時までに「商品」と「金額」を指定して発注
- 翌営業日の基準価額で約定
- 約1週間後に受け渡し
つまり、「今日の値動き」で買えるわけではなく、翌営業日の基準価額で約定する点に注意が必要です。
2.「買い場がない」ときの判断基準
「安値で買いたいけれど、なかなか下がらない」――これは多くの投資家が感じるジレンマです。
私は、オルカンの基準価額が前日より300円以上下がったタイミングでは、「少し買ってみようか」という気持ちになります。
ただし翌営業日の基準価額で約定するため、「さらに翌日に下がってほしい」という複雑な心理が働くこともあります。
3.基準価額の概算方法(S&P500を参考に)
オルカンの基準価額は、翌日の午後に正式に発表されるため、当日の動きは推測するしかありません。
私は以下のようにして概算しています。
- 「みんかぶ」のサイトで午前10時35分ごろに更新される『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の推計基準価額と前日比を確認。
- その前日比 × 0.7 を「オルカンの前日比の概算値」とみなす。
概算式:
オルカン前日比 ≒ S&P500前日比 × 0.7
たとえば、S&P500が+100円なら、オルカンは+70円程度と見込んでいます。
4.オルカンと為替(ドル円)の関係
オルカンは全世界株式に分散投資しており、そのうち約6割は米国株が占めています。
そのため、ドル円の動きが基準価額に大きな影響を与えます。
経験的に、私は次のように考えています:
| ドル円の変動 | オルカン基準価額への影響(概算) |
|---|---|
| 1円のドル高・円安 | 約 +150円 |
| 1円のドル安・円高 | 約 −150円 |
5.実際の変化で見るオルカンと為替の寄与
私が初めてオルカンを購入したのは2023年3月、
そのときの基準価額は 16,200円/1ドル=132円 でした。
そして2024年6月には、基準価額は 25,200円/1ドル=160円 に上昇。
基準価額の上昇幅は 9,000円 ですが、為替変動による寄与分は以下の通りです。
150円 × (160 − 132) = 4,200円
つまり、上昇分の約半分は為替によるものと推測できます。
6.より精緻な分析をしたい人へ
オルカンと同じく「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」をベンチマークとする
- iShares MSCI ACWI ETF
- MUAM MAXIS World Equity (MSCI ACWI) ETF
などを使い、ドル円の仲値でより正確に基準価額を推計している投資家もいます。
興味のある方は、これらETFの前日終値を参考にして、オルカンの動きを事前に推測してみるとよいでしょう。
まとめ:オルカン購入は「基準価額 × 為替」の理解から
- オルカンは翌営業日の基準価額で約定する
- S&P500の動きを7割程度参考にすれば概算可能
- 為替1円の変化で基準価額は約±150円動く
- 為替の影響も含めたトータルの値動きを理解しておくことが重要
「買い場がない」と焦るよりも、基準価額と為替の関係を理解して冷静に買うことが、長期投資を続けるコツです。

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