インデックス投資の代表格ともいえる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(通称「オルカン」)の価格変動を、VIX指数(恐怖指数)のMACDから予測する試みを以前から行っています。
今回の記事では、2024年9月初旬のVIX指数のテクニカル指標に基づいて、今後のオルカンの値動き予測と投資判断を考察します。
セクション1:オルカンとVIX指数のMACDに関する2つの仮説
これまでの検証から、次の2つの条件を同時に満たすと、オルカンの基準価額が上昇する「前兆」となる傾向が見られます。
条件①
VIX指数のMACDが「1.0以上」の状態でデッドクロスを形成
条件②
VIX指数そのものが「20以上」の水準でデッドクロスを形成
この2つの条件がそろうと、過去の傾向としてオルカンの基準価額が上昇に転じるケースが多く見られました。


セクション2:反対にゴールデンクロスは下落のサインに
逆に、VIX指数のMACDが明確なゴールデンクロスを形成した場合、その後にオルカンの基準価額が下落に転じることが多いこともわかっています。
チャート上では、黒い破線で囲った楕円部分に注目すると、ゴールデンクロスを境に明確な下降トレンドへと移行しているのが確認できます。
セクション3:2024年9月7日時点のVIXとMACDの動き
2024年9月7日時点での「VIX指数のMACD」は、以下の特徴を持っていました。
- 明確なゴールデンクロスを形成(赤い太線部分)
- MACDラインの上昇傾向が確認された
この時点で、米国のS&P500指数の下落が示唆され、連動性の高いオルカンの基準価額も短期的な下降トレンド入りが見込まれます。
セクション4:9月の季節性アノマリーにも注意
歴史的に、株式市場において9月は年間で最もパフォーマンスが悪い月とされるアノマリー(季節的規則性)があります。
そのため、VIXのMACDのテクニカルサインと合わせて、下落基調が続く可能性も高く、慎重な判断が求められます。
セクション5:今は様子見、次の買い場は?
株価の下落は一方で「買い場」ともなりますが、今回のようにVIX指数のMACDがゴールデンクロスを形成した直後では、まだ底値の見極めが難しい状況です。
次の買いのタイミングとして注目したいのは、以下のシグナルです:
- MACDが再びデッドクロスを形成
- VIXが20以上の水準を維持しながら反転
これらのサインがそろえば、再びオルカンの買い場が訪れる可能性が高くなると考えられます。
まとめ
「VIX指数のMACD」によるテクニカル分析を活用することで、オルカン(全世界株式)の基準価額の方向性をある程度予測するヒントが得られます。
2024年9月現在は、VIXのゴールデンクロスによりしばらくの調整局面が続く見通しですが、次なる買いのチャンスを待ちながら慎重に相場を見守ることが重要です。

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